雑記83[禁止改定および相棒ルール改定予想]
2020年5月29日 Magic: The Gathering0)はじめに
来たる6/1はスタンダード・ヒストリックの禁止改定と相棒メカニズムに関する変更(ここではルール改定とします)が予定されています。ということで、予想してみましょう。
1)スタンダードについて
IKO以降のスタンダードは相棒の登場により、過去のスタンダードと比べかなり異質な環境だったように感じました。過去のスタンダードの不満の多くは、アーキタイプの少なさによるものなはずです。その意味ではデッキの種類、アーキタイプ自体はかなりの種類があった今環境ですが、不満が多かったように感じました。
根本的な不満は「アーキタイプの少なさ」による「ゲームの飽き」だったのでしょう。その「飽き」はアーキタイプが多くても起き得ます。どんなプレイヤーが相手でも相手のデッキがゲーム開始時に確定して、どんなプレイヤーが握ってもどんな手札をキープしても5ターン目には(もしくは3ターン目には)特定のカードが唱えられる。確かに飽きそうです。これは相棒メカニズムによるものです。このルール改定については下記で述べるので今はスルーします。
この相棒メカニズムは今までにないメカニズムでなおかつスタンダードではかなり活躍したメカニズムになりました。10種類中6種類7種類がきっちりと使われる、そんなメカニズムは過去にあったでしょうか。でもいつも同じ動きをするので飽きてしまう、そんな欠陥がありました。実際には「飽き」以外の問題点もあるのでしょうが、後述。
IKO環境でトップメタなのはヨーリオンを相棒としたジェスカイルーカです。80枚デッキでコンボを搭載するという、過去には考えられないデッキ構築論ですが、高い再現性と対処の難しさ、全体的なカードパワーの高さから長い間トップに君臨しています。MtGGoldFish調べで使用率は25%程度で2位の青白コントロールの15%と比べるとおよそ2倍あります。使用率自体は一強といえるほどの高さではない、と個人的には思いますが、このデッキは現環境の戦車だと思っています。
長らくIKO環境のスタンダードについての個人的な見解・感想を述べてきました。さて、禁止予想を行いましょう。
5/29現在の禁止カードはこちらです。
《死者の原野》
《王冠泥棒、オーコ》
《むかしむかし》
《夏の帳》
計4枚。
これを踏まえて、
禁止予想:《時を解す者、テフェリー》
禁止希望:なし
解除予想:《夏の帳》
解除希望:なし
《時を解す者、テフェリー》がいるのでカウンターをとれない、これが一番の問題だと思っています。《神秘の論争》や《ドビンの拒否権》といった強力なカウンターがあるものの、この3マナのPWを通したら最後、本当に何もしないカードとなり、指くわえて待つのみです。カウンターいっぱいとってテフェリーもルーカもカウンターすればよい、と思っても、本当に一回通っただけで負けます。そんなリスクを背負うくらいなら別のデッキを握ったほうがよい、というのが今環境なのでしょう。それだといろいろ歪んでしまった。だから禁止措置をとると予想します。
そうした場合、カウンターが強すぎるので、対カウンターとして《夏の帳》を戻そうかと。これで均衡が保てるかはわかりません。なにせ、この禁止改定は相棒のルール改定も起因してくるはずなので。でも、こんな感じで落ち着くのかと思います。禁止改定の傾向としては「最新セットからは出さない」「神話レアからは出さない」はずなのでIKOからの禁止はないでしょう。
2)ヒストリックについて
ちょくちょくヒストリックを行っているプレイヤーとしての感想ですが、正直不満ないです。まだまだ遊びつくせていないカードがいっぱいで文句言えないです。確かにナヤウィノータばかりに当たったら飽きてくるかもしれませんが、少なくとも自分は現状そんなことないので、たまに当たるクリーチャーコンボ、程度です。コンボという意味ではシミックネクサスも大概だと思いますよ。
さて、予想を行いましょう。ヒストリックは使用停止を挟んで禁止になるはずなので、その辺も注意します。
5/29現在の使用停止・禁止カードはこちらです。
《王冠泥棒、オーコ》禁止
《むかしむかし》禁止
《夏の帳》禁止
禁止:計3枚。停止:計0枚。
停止予想:《軍団のまとめ役、ウィノータ》《獣相のシャーマン》
停止希望:なし
禁止予想:なし
禁止希望:なし
解除予想:なし
解除希望:なし
停止中のものがないので禁止はないでしょう。あと、解禁もまあないでしょう。きっとナヤウィノータに調整が入ると思うので、ウィノータ自身かサーチ手段の獣相でしょう。ヒストリックはアリーナ上でしかないのでワイルド補填だけで済むため、躊躇せずに最新セットの神話レアを停止・禁止できるはずです。まあ、いったんウィノータを停止して様子見が濃厚ですかね。しなくてもよさそうですが。
3)相棒メカニズムのルール改定について
この項目はオリカ発表会に近いので手短に。
ルール改定の目標は「相棒の使用の有無による差を無くす・減らす」ことです。多分ここはあっているはずです。この「差を無くす」ことを相棒の構築条件で十分だという判断で印刷されましたが、それだけではあまりにも不十分だったわけです。なのでルール改定という近年類を見ない改定を行うんですね。
ではその「差を無くす」方法は単純に次の2択です。「相棒なしにメリット付与」か「相棒ありにデメリット付与」です。ただ、前者の可能性は非常に低いはずです。そもそも相棒なしが今までのゲームでしたから、「相棒なしにメリット付与」を行うとそれは相棒メカニズムのルール改定よりもマジックの基本ルールのルール改定になります。さすがにそこまで突飛なことはしないでしょう。25年と謳ってたTCGが26年目に過去25年捨てることはない、ということです。
相棒は初手8枚を容認しているルールなので、「相棒なしにメリット付与」するなら「初手の追加ドロー」等が思いつきますが、それは25年の基本ルールに立ち返るのなら次のほうが”自然”です。
「このゲームはみんな初手8枚。但し、相棒使用の場合はそのうち1枚を置換」
但し書きの文言は現行のルールとは違いますが、「置換」の部分をいい案配にすればこっちのほうがシンプルです。これは基本ルールの初手7枚の改定だと思うので、そんなことはしないはず。これは「メリット付与」の「追加ドロー」を「追加の占術」にしてもほとんど同じはずです。
以上から、消去法で後者の「相棒ありにデメリット付与」だと思います。
今までの「デメリット」は「構築条件」でしたが、これだけでは足りないということなので、適当に考えてみます。ここは理論とかは特にないのでオリカ発表会に近いです。ちなみに自分はオリカ発表会好きですよ。
多分、「相棒使用の場合は1マリガンスタート」「いつでも唱えられることではなく、任意のタイミングでドローを相棒に置換」「相棒を初手に加えてスタート」のどれかかその派生でしょう。
一応一つずつコメントを。
1つ目はわかりやすいですね。これが一番あり得るかなと思っていたりします。いままでの相棒と同じく、手札を介しません。
2つ目もそれっぽい。手札を介するようになります。これにより、相棒は8枚目の手札から、いつでもデッキトップ、になるわけです。あり得そう。
3つ目は相棒の問題点の一つ、ハンデス耐性を解消しようとした形です。初手に加えるので、当然ハンデスで落とせますし、後攻の場合、手札超過によるディスカードの可能性も出てきます。これもそこそこあり得るかも。
ちなみに、総合ルールによると、ゲームの始める順番はこんな感じでした。
1:各々デッキ持ってくる
2:相棒を公開する(任意)
3:先攻後攻を決める
4:初期ライフを得る
5:マリガンしたりキープしたりする
6:力線出したりする
7:1ターン目を始める
つまり、可能性としては相棒の有無で先攻後攻の決定権の所在が決まったり、初期ライフが変動することもあり得るはずです。
4)おわりに
どうなるか楽しみですね。なんて生易しい言葉は正直かけにくいです。こういうカードデザインの問題は最近圧倒的に増えているように感じます。スタンは10年に1度の禁止を目標に慎重にデザインしていたあの頃に戻ってほしいです。個人的には特殊セット等を近年本当にたくさん刷っているのでその分人材を割けなかったためにこういう惨事が起きているのかな、と。
好きなゲームなのでマジックが良くなることを願っています。ではでは。
来たる6/1はスタンダード・ヒストリックの禁止改定と相棒メカニズムに関する変更(ここではルール改定とします)が予定されています。ということで、予想してみましょう。
1)スタンダードについて
IKO以降のスタンダードは相棒の登場により、過去のスタンダードと比べかなり異質な環境だったように感じました。過去のスタンダードの不満の多くは、アーキタイプの少なさによるものなはずです。その意味ではデッキの種類、アーキタイプ自体はかなりの種類があった今環境ですが、不満が多かったように感じました。
根本的な不満は「アーキタイプの少なさ」による「ゲームの飽き」だったのでしょう。その「飽き」はアーキタイプが多くても起き得ます。どんなプレイヤーが相手でも相手のデッキがゲーム開始時に確定して、どんなプレイヤーが握ってもどんな手札をキープしても5ターン目には(もしくは3ターン目には)特定のカードが唱えられる。確かに飽きそうです。これは相棒メカニズムによるものです。このルール改定については下記で述べるので今はスルーします。
この相棒メカニズムは今までにないメカニズムでなおかつスタンダードではかなり活躍したメカニズムになりました。10種類中6種類7種類がきっちりと使われる、そんなメカニズムは過去にあったでしょうか。でもいつも同じ動きをするので飽きてしまう、そんな欠陥がありました。実際には「飽き」以外の問題点もあるのでしょうが、後述。
IKO環境でトップメタなのはヨーリオンを相棒としたジェスカイルーカです。80枚デッキでコンボを搭載するという、過去には考えられないデッキ構築論ですが、高い再現性と対処の難しさ、全体的なカードパワーの高さから長い間トップに君臨しています。MtGGoldFish調べで使用率は25%程度で2位の青白コントロールの15%と比べるとおよそ2倍あります。使用率自体は一強といえるほどの高さではない、と個人的には思いますが、このデッキは現環境の戦車だと思っています。
長らくIKO環境のスタンダードについての個人的な見解・感想を述べてきました。さて、禁止予想を行いましょう。
5/29現在の禁止カードはこちらです。
《死者の原野》
《王冠泥棒、オーコ》
《むかしむかし》
《夏の帳》
計4枚。
これを踏まえて、
禁止予想:《時を解す者、テフェリー》
禁止希望:なし
解除予想:《夏の帳》
解除希望:なし
《時を解す者、テフェリー》がいるのでカウンターをとれない、これが一番の問題だと思っています。《神秘の論争》や《ドビンの拒否権》といった強力なカウンターがあるものの、この3マナのPWを通したら最後、本当に何もしないカードとなり、指くわえて待つのみです。カウンターいっぱいとってテフェリーもルーカもカウンターすればよい、と思っても、本当に一回通っただけで負けます。そんなリスクを背負うくらいなら別のデッキを握ったほうがよい、というのが今環境なのでしょう。それだといろいろ歪んでしまった。だから禁止措置をとると予想します。
そうした場合、カウンターが強すぎるので、対カウンターとして《夏の帳》を戻そうかと。これで均衡が保てるかはわかりません。なにせ、この禁止改定は相棒のルール改定も起因してくるはずなので。でも、こんな感じで落ち着くのかと思います。禁止改定の傾向としては「最新セットからは出さない」「神話レアからは出さない」はずなのでIKOからの禁止はないでしょう。
2)ヒストリックについて
ちょくちょくヒストリックを行っているプレイヤーとしての感想ですが、正直不満ないです。まだまだ遊びつくせていないカードがいっぱいで文句言えないです。確かにナヤウィノータばかりに当たったら飽きてくるかもしれませんが、少なくとも自分は現状そんなことないので、たまに当たるクリーチャーコンボ、程度です。コンボという意味ではシミックネクサスも大概だと思いますよ。
さて、予想を行いましょう。ヒストリックは使用停止を挟んで禁止になるはずなので、その辺も注意します。
5/29現在の使用停止・禁止カードはこちらです。
《王冠泥棒、オーコ》禁止
《むかしむかし》禁止
《夏の帳》禁止
禁止:計3枚。停止:計0枚。
停止予想:《軍団のまとめ役、ウィノータ》《獣相のシャーマン》
停止希望:なし
禁止予想:なし
禁止希望:なし
解除予想:なし
解除希望:なし
停止中のものがないので禁止はないでしょう。あと、解禁もまあないでしょう。きっとナヤウィノータに調整が入ると思うので、ウィノータ自身かサーチ手段の獣相でしょう。ヒストリックはアリーナ上でしかないのでワイルド補填だけで済むため、躊躇せずに最新セットの神話レアを停止・禁止できるはずです。まあ、いったんウィノータを停止して様子見が濃厚ですかね。しなくてもよさそうですが。
3)相棒メカニズムのルール改定について
この項目はオリカ発表会に近いので手短に。
ルール改定の目標は「相棒の使用の有無による差を無くす・減らす」ことです。多分ここはあっているはずです。この「差を無くす」ことを相棒の構築条件で十分だという判断で印刷されましたが、それだけではあまりにも不十分だったわけです。なのでルール改定という近年類を見ない改定を行うんですね。
ではその「差を無くす」方法は単純に次の2択です。「相棒なしにメリット付与」か「相棒ありにデメリット付与」です。ただ、前者の可能性は非常に低いはずです。そもそも相棒なしが今までのゲームでしたから、「相棒なしにメリット付与」を行うとそれは相棒メカニズムのルール改定よりもマジックの基本ルールのルール改定になります。さすがにそこまで突飛なことはしないでしょう。25年と謳ってたTCGが26年目に過去25年捨てることはない、ということです。
相棒は初手8枚を容認しているルールなので、「相棒なしにメリット付与」するなら「初手の追加ドロー」等が思いつきますが、それは25年の基本ルールに立ち返るのなら次のほうが”自然”です。
「このゲームはみんな初手8枚。但し、相棒使用の場合はそのうち1枚を置換」
但し書きの文言は現行のルールとは違いますが、「置換」の部分をいい案配にすればこっちのほうがシンプルです。これは基本ルールの初手7枚の改定だと思うので、そんなことはしないはず。これは「メリット付与」の「追加ドロー」を「追加の占術」にしてもほとんど同じはずです。
以上から、消去法で後者の「相棒ありにデメリット付与」だと思います。
今までの「デメリット」は「構築条件」でしたが、これだけでは足りないということなので、適当に考えてみます。ここは理論とかは特にないのでオリカ発表会に近いです。ちなみに自分はオリカ発表会好きですよ。
多分、「相棒使用の場合は1マリガンスタート」「いつでも唱えられることではなく、任意のタイミングでドローを相棒に置換」「相棒を初手に加えてスタート」のどれかかその派生でしょう。
一応一つずつコメントを。
1つ目はわかりやすいですね。これが一番あり得るかなと思っていたりします。いままでの相棒と同じく、手札を介しません。
2つ目もそれっぽい。手札を介するようになります。これにより、相棒は8枚目の手札から、いつでもデッキトップ、になるわけです。あり得そう。
3つ目は相棒の問題点の一つ、ハンデス耐性を解消しようとした形です。初手に加えるので、当然ハンデスで落とせますし、後攻の場合、手札超過によるディスカードの可能性も出てきます。これもそこそこあり得るかも。
ちなみに、総合ルールによると、ゲームの始める順番はこんな感じでした。
1:各々デッキ持ってくる
2:相棒を公開する(任意)
3:先攻後攻を決める
4:初期ライフを得る
5:マリガンしたりキープしたりする
6:力線出したりする
7:1ターン目を始める
つまり、可能性としては相棒の有無で先攻後攻の決定権の所在が決まったり、初期ライフが変動することもあり得るはずです。
4)おわりに
どうなるか楽しみですね。なんて生易しい言葉は正直かけにくいです。こういうカードデザインの問題は最近圧倒的に増えているように感じます。スタンは10年に1度の禁止を目標に慎重にデザインしていたあの頃に戻ってほしいです。個人的には特殊セット等を近年本当にたくさん刷っているのでその分人材を割けなかったためにこういう惨事が起きているのかな、と。
好きなゲームなのでマジックが良くなることを願っています。ではでは。
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