環境:パイオニア(~IKO)
1)はじめに
前回:https://formicaoperaia.diarynote.jp/202003162237009854/
『イコリア:巨獣の棲処』が発売されてからすっかり忘れていたのですが、URストームがとんでもなく強化されていたんですよね。これでパイオニアのコンボデッキとしても有力候補になりえるかと。決して過言ではないですよ。真面目に考察するのでナンバリングも1にします。
2)強いコンボといわれるには
マジックにはたくさんのコンボデッキがあります。それはパイオニアも例には漏れません。自分が一番好きなフォーマットだったモダンにも本当にたくさんのコンボデッキがありました。しかし、その中のほとんどはトーナメントシーンで活躍しません。その活躍するコンボデッキとそうでないデッキ、その違いはどこにあるんでしょうか。
個人的な見解ですが、「コンボパーツの種類数」と「1パーツの同型枚数」に大きく依存していると思います。もちろん、クリーチャーコンボなら主要な軽量除去への耐性や、基本的なカウンターやハンデスへの耐性といった「妨害耐性」の有無も重要ではありますが、その「妨害耐性」を兼ね備えたコンボデッキが環境に存在し続けることは稀です。妨害しにくくコンボパーツが少ないデッキは環境の健全化のために大抵禁止措置が施されます。こうした「妨害耐性」を持つコンボデッキで主流なのは土地コンボでしょう。カウンターは要所には刺さるものの、ハンデスや除去は刺さりにくいですから。現存するコンボデッキの多くは「妨害耐性」を圧倒的な速度(2ターンキルや3ターンキル)によってカバーしているわけです。相手が有効な妨害を引く前に勝つ、という考えですね。
先ほど個人的な見解でコンボデッキの強さには2つの要因があると述べました。しかし、思ったより共感は得られるのではないでしょうか。コンボデッキやコンボそのものを表現するに際し、主に「3枚コンボ」や「8枚・8枚・4枚コンボ」と称されることが多いと思うんですが、その前者「3枚コンボ」に当たるのが「コンボパーツの種類数」、その後者「8枚・8枚・4枚コンボ」に当たるのが「1パーツの同型枚数」です。
前者の意味は、コンボ成立に必要な枚数です。パイオニアのインバーター・コンボなら《真実を覆すもの》と《タッサの信託者》の2枚です。後者の意味は、それぞれの枚数です。基本的に4枚しかないのですが、これが同型再販などで8枚積めると強いコンボになるわけです。これがモダンの純鋼ストームやけちストームですね。インバーター・コンボは《タッサの信託者》が《神秘を操る者、ジェイス》でも可なので「8枚・4枚コンボ」というわけです。
コンボパーツが同型再販で8枚になる。これが強いコンボデッキには必須の条件でしょう。モダンの《アロサウルス乗り》コンボを考えてみればよく分かるはずです。『灯争大戦』によって《新生化》を得たことで「2枚コンボ」の「8枚・8枚コンボ」になって話題となりました。その後の活躍は十分お分かりでしょう。
以上より、「2枚コンボ」の「8枚・8枚コンボ」がパイオニアで作れるかを検討します。
3)パイオニアにおけるコンボデッキ
パイオニアのコンボデッキは前述のインバーター・コンボのほかにロータス・ブリーチ、ヘリオット・バリスタ等が存在しますが、どれも「8枚・8枚コンボ」ではありません。それは《願いのフェイ》といったウィッシュボードや《森の占術》といったサーチカードを利用しても条件を満たしません。こうした現状を踏まえるとインバーター・コンボの「8枚・4枚コンボ」はかなり優秀です。
ここで今回の「8枚・8枚コンボ」を紹介します。それは《膨れコイルの奇魔》と《ケイラメトラの好意》による奇魔ストームです。
4)今回のデッキの肝
増えたのは《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》です。
IKO以前は《熱錬金術師》が入っていました。2マナという重さのためコンボ始動は3ターン目。これでも十分だと思っていた半面、満足はしていませんでした。
ここが1マナになる。これは一度でも回したことのある人なら革命的なものだとすぐにわかるでしょう。
5)リスト
メインボード(60)
・クリーチャー(8)
4 膨れコイルの奇魔/Blistercoil Weird
4 火傷吐きグレムリン / Blisterspit Gremlin
・インスタント・ソーサリー(28)
4 突破/Crash Through
4 促進/Expedite
4 マグマの洞察力/Magmatic Insight
4 選択/Opt
4 急かし/Quicken
4 空間の擦り抜け/Slip Through Space
4 宝船の巡航/Treasure Cruise
・エンチャント(8)
4 ケイラメトラの好意/Karametra’s Favor
4 謎の石の儀式/Cryptolith Rite
・土地(16)
4 植物の聖域/Botanical Sanctum
4 尖塔断の運河/Spirebluff Canal
4 マナの合流点/Mana Confluence
2 蒸気孔/Steam Vents
2 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
・サイドボード(15)
4 若き紅蓮術士/Young Pyromancer
4 削剥/Abrade
2 火想者の研究/Firemind’s Research
2 崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer
3 熱病の幻視/Fevered Visions
6)さいごに
サイドボードは実践して欲しいそうなカードと随時変えていければな、と思います。紙でマジックができるようになったら回します。ではでは。
1)はじめに
前回:https://formicaoperaia.diarynote.jp/202003162237009854/
『イコリア:巨獣の棲処』が発売されてからすっかり忘れていたのですが、URストームがとんでもなく強化されていたんですよね。これでパイオニアのコンボデッキとしても有力候補になりえるかと。決して過言ではないですよ。真面目に考察するのでナンバリングも1にします。
2)強いコンボといわれるには
マジックにはたくさんのコンボデッキがあります。それはパイオニアも例には漏れません。自分が一番好きなフォーマットだったモダンにも本当にたくさんのコンボデッキがありました。しかし、その中のほとんどはトーナメントシーンで活躍しません。その活躍するコンボデッキとそうでないデッキ、その違いはどこにあるんでしょうか。
個人的な見解ですが、「コンボパーツの種類数」と「1パーツの同型枚数」に大きく依存していると思います。もちろん、クリーチャーコンボなら主要な軽量除去への耐性や、基本的なカウンターやハンデスへの耐性といった「妨害耐性」の有無も重要ではありますが、その「妨害耐性」を兼ね備えたコンボデッキが環境に存在し続けることは稀です。妨害しにくくコンボパーツが少ないデッキは環境の健全化のために大抵禁止措置が施されます。こうした「妨害耐性」を持つコンボデッキで主流なのは土地コンボでしょう。カウンターは要所には刺さるものの、ハンデスや除去は刺さりにくいですから。現存するコンボデッキの多くは「妨害耐性」を圧倒的な速度(2ターンキルや3ターンキル)によってカバーしているわけです。相手が有効な妨害を引く前に勝つ、という考えですね。
先ほど個人的な見解でコンボデッキの強さには2つの要因があると述べました。しかし、思ったより共感は得られるのではないでしょうか。コンボデッキやコンボそのものを表現するに際し、主に「3枚コンボ」や「8枚・8枚・4枚コンボ」と称されることが多いと思うんですが、その前者「3枚コンボ」に当たるのが「コンボパーツの種類数」、その後者「8枚・8枚・4枚コンボ」に当たるのが「1パーツの同型枚数」です。
前者の意味は、コンボ成立に必要な枚数です。パイオニアのインバーター・コンボなら《真実を覆すもの》と《タッサの信託者》の2枚です。後者の意味は、それぞれの枚数です。基本的に4枚しかないのですが、これが同型再販などで8枚積めると強いコンボになるわけです。これがモダンの純鋼ストームやけちストームですね。インバーター・コンボは《タッサの信託者》が《神秘を操る者、ジェイス》でも可なので「8枚・4枚コンボ」というわけです。
コンボパーツが同型再販で8枚になる。これが強いコンボデッキには必須の条件でしょう。モダンの《アロサウルス乗り》コンボを考えてみればよく分かるはずです。『灯争大戦』によって《新生化》を得たことで「2枚コンボ」の「8枚・8枚コンボ」になって話題となりました。その後の活躍は十分お分かりでしょう。
以上より、「2枚コンボ」の「8枚・8枚コンボ」がパイオニアで作れるかを検討します。
3)パイオニアにおけるコンボデッキ
パイオニアのコンボデッキは前述のインバーター・コンボのほかにロータス・ブリーチ、ヘリオット・バリスタ等が存在しますが、どれも「8枚・8枚コンボ」ではありません。それは《願いのフェイ》といったウィッシュボードや《森の占術》といったサーチカードを利用しても条件を満たしません。こうした現状を踏まえるとインバーター・コンボの「8枚・4枚コンボ」はかなり優秀です。
ここで今回の「8枚・8枚コンボ」を紹介します。それは《膨れコイルの奇魔》と《ケイラメトラの好意》による奇魔ストームです。
4)今回のデッキの肝
増えたのは《火傷吐きグレムリン/Blisterspit Gremlin》です。
(R)火傷吐きグレムリン / Blisterspit Gremlin
クリーチャー — グレムリン 1/1
(1),(T):火傷吐きグレムリンは各対戦相手にそれぞれ1点のダメージを与える。
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、火傷吐きグレムリンをアンタップする。
IKO以前は《熱錬金術師》が入っていました。2マナという重さのためコンボ始動は3ターン目。これでも十分だと思っていた半面、満足はしていませんでした。
ここが1マナになる。これは一度でも回したことのある人なら革命的なものだとすぐにわかるでしょう。
5)リスト
メインボード(60)
・クリーチャー(8)
4 膨れコイルの奇魔/Blistercoil Weird
4 火傷吐きグレムリン / Blisterspit Gremlin
・インスタント・ソーサリー(28)
4 突破/Crash Through
4 促進/Expedite
4 マグマの洞察力/Magmatic Insight
4 選択/Opt
4 急かし/Quicken
4 空間の擦り抜け/Slip Through Space
4 宝船の巡航/Treasure Cruise
・エンチャント(8)
4 ケイラメトラの好意/Karametra’s Favor
4 謎の石の儀式/Cryptolith Rite
・土地(16)
4 植物の聖域/Botanical Sanctum
4 尖塔断の運河/Spirebluff Canal
4 マナの合流点/Mana Confluence
2 蒸気孔/Steam Vents
2 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
・サイドボード(15)
4 若き紅蓮術士/Young Pyromancer
4 削剥/Abrade
2 火想者の研究/Firemind’s Research
2 崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer
3 熱病の幻視/Fevered Visions
6)さいごに
サイドボードは実践して欲しいそうなカードと随時変えていければな、と思います。紙でマジックができるようになったら回します。ではでは。
コメント
ご指摘の通りです。《未踏地への進入》の話をしようと思っていたのですが、第2節に気合入れすぎてすっかり忘れてました。。。
明日その辺の話を書きます。。。