環境:パイオニア(~THB)
はい。現在使っているパイオニアのデッキを紹介します。真面目に2カ月程度調整していて、GP名古屋にも持って行こうかと思うほどでした。
1)デッキリストの紹介
タイトルは「ウィッシュストーム」と書いていますが、《ジェスカイの隆盛》を用いたデッキです。普通の構築との違い等は、デッキリストを挙げてからにしましょう。先に述べておくことは「ウィッシュ」ということに注目してください、ということですね。
メインボード(60)
・クリーチャー(15)
4 森の女人像/Sylvan Caryatid
4 楽園のドルイド/Paradise Druid
4 願いのフェイ/Fae of Wishes - 成就/Granted
3 薔薇棘の見習い/Rosethorn Acolyte - 季節の儀式/Seasonal Ritual
・インスタント・ソーサリー(19)
4 選択/Opt
1 空間の擦り抜け/Slip Through Space
4 促進/Expedite
1 マグマの洞察力/Magmatic Insight
4 霊気との調和/Attune with Aether
1 収まらぬ思い/Nagging Thoughts
2 巧みな軍略/Strategic Planning
2 宝船の巡航/Treasure Cruise
・エンチャント(8)
4 枷はずれな成長/Unbridled Growth
3 ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy
1 死の国からの脱出/Underworld Breach
・土地(18)
4 霊気拠点/Aether Hub
4 植物の聖域/Botanical Sanctum
1 寺院の庭/Temple Garden
1 蒸気孔/Steam Vents
1 神聖なる泉/Hallowed Fountain
1 繁殖池/Breeding Pool
1 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 マナの合流点/Mana Confluence
1 平地/Plains
1 島/Island
1 山/Mountain
1 森/Forest
サイドボード(15)
1 神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries
1 肉体+血流/Flesh+Blood
1 大自然の反撃/Elemental Uprising
1 死の国からの脱出/Underworld Breach
1 ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy
1 試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials
1 黄昏+払暁/Dusk+Dawn
1 白鳥の歌/Swan Song
1 削剥/Abrade
1 摩耗+損耗/Wear+Tear
1 立身+出世/Claim+Fame
2 沈黙/Silence
2 神秘の論争/Mystical Dispute
はい。こんな感じです。このリストを見て、「はい、なるほどね。」となる人は一度でも《ジェスカイの隆盛》コンボを扱ったことのある人でしょう。扱ったことのある人もない人も下でできる限り分かりやすく解説しますので恐れないでください。
2)そもそも《ジェスカイの隆盛》コンボとは。
まず、《ジェスカイの隆盛》コンボを知らないとこのデッキに触れることはできません。《ジェスカイの隆盛》コンボとはその名の通り、《ジェスカイの隆盛》を主軸にしたチェインコンボデッキです。この《ジェスカイの隆盛》はこんなカードです。
このエンチャントを張った状態でクリーチャーでない呪文を唱えるとクリーチャー全部がアンタップすることに注目して、マナクリーチャーを展開後、軽量ドロースペルを連打して、マナを増やしていきます。このとき、土地カードのような不要な手札は下のルーター能力でスペルに変換していきます。こうしてデッキを掘っていくんですね。勝ち手段はデッキ切れによる特殊勝利やクリーチャーのパワーがクリーチャーでない呪文を唱えるたびに上がるのでそのまま殴って勝ちます。
そんな《ジェスカイの隆盛》コンボ。これは当時のスタンダードでも存在したようなデッキでして、当然パイオニアにも存在します。主な型は、「《森の目覚め/Sylvan Awakening》型」、「《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》型」、そして「マナ・クリーチャー型」の3種類でしょうか。それぞれについて少し違いを説明します。
「《森の目覚め》型」はクリーチャーの採用枚数が極端に少ないデッキが多く、《森の目覚め》によって土地をマナクリ化してコンボに入ります。そのため、序盤はジェスカイコントロールのように振る舞う構成が多く、また、土地全てがマナクリになるため潤沢にマナが出るのも相まって《時を越えた探索/Dig Through Time》を採用できるのが利点の一つです。他とは違って3キルルートはなく、また《ジェスカイの隆盛》を先置きする必要があるのも重要な違いですね。
「《湖に潜む者、エムリー》型」は《モックス・アンバー/Mox Amber》と組み合わせることによって無限マナから《歩行バリスタ/Walking Ballista》による無限ダメージを狙います。また、《群の祭壇/Altar of the Brood》によるライブラリー破壊も追加の勝ち手段となっていることが多いです。マナクリーチャーを採用しないことが多いため、純正な青赤白で組めるデッキとなっています。
「マナ・クリーチャー型」は「《森の目覚め》型」とハイブリットすることもありますが、マナ・クリーチャーをおおむね8枚以上採用することにより、2Tマナクリ、3T《ジェスカイの隆盛》からそのままコンボ開始できるスピードを持ち合わせています。
ここまでは、《ジェスカイの隆盛》コンボの紹介でした。では、今回のリストがこれらのどの型に属していて、どう違いのかを次で語ります。
3)今回のデッキの特徴
今回のデッキはさっきの「マナ・クリーチャー型」の亜種となります。どこが違うのかというと、《願いのフェイ》の採用です。重要なのは「成就」の部分ですね。これを勝手に「ウィッシュ型」とします。「ウィッシュ型」は《ジェスカイの隆盛》をサイドに1枚置くと7枚体制になるわけです。デッキ全体は軽量ドロースペルばかりにしたいので勝ち手段もドローがついていないかぎり最後にしか引きたくありません。ということはサイドに置いておけばいいんです。《肉体+血流》や《神秘を操る者、ジェイス》はそういうことですよね。
じゃあメインだけでは勝てないのか、というとそういうわけではありません。《空間の擦り抜け》はドローがついているメインの勝ち手段ですよ。
では、メインに持ってくる可能性があるサイドカードについて、それぞれコメントしていきますか。
4)コメント集
《神秘を操る者、ジェイス》:勝ち手段その1。相手のライフに関係なく勝てるのが利点ですね。4マナは重いのでは、と思ったそこのあなた。もちろんそうなのですが、「成就」も同じ4マナだということを考えると、少なくともチェインコンボ中には4マナ貯められるようにしなきゃいけないんですよね。いっぱいマナが貯まりそうなら良くて、そうでない場合はチェインの最中にマナクリの追加を検討する必要があります。2マナの《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》でいいのでは、と思ったそこのあなた。「成就」はクリーチャーでないカードしか持ってこれないのですよ。残念。
《肉体+血流》:勝ち手段その2。実際はこれで勝つことがほとんど。《死の国からの脱出》があれば墓地から複数回打てるので1回持ってくれば大丈夫だから1枚。これはクリーチャーを生け贄にしないのが重要。モダンの青赤ストームの《ぶどう弾》に相当しているので、このデッキ名にストームと入れさせてもらった。《ドスン/Thud》や《投げ飛ばし/Fling》ではクリーチャーを生け贄にする都合上複数回打てるか分からない。問題点はクリーチャーのパワーは本家のストームとは違って、ターンのどのタイミングで出したかによって違うので、管理が少々面倒なところ。
《大自然の反撃》:サイドから持ってこれるマナ・クリーチャー。パワーも4と高いので、《肉体+血流》しやすいのもグッド。これでクリーチャー化することも見越して《霊気拠点》を採用したが、《蒸気孔》のような青絡みの土地をクリーチャー化することの方が多いかな。
《死の国からの脱出》:こいつがかなりの悪がき。ホント好き勝手回せて最高です。小テクとして、《マグマの洞察力》による追加コストで捨てた土地・カードを脱出のコストとして追放できます。ワザップです。
《ジェスカイの隆盛》:よく持ってきます。7枚体制ですからね。この方法によりマナクリ8枚(《森の女人像》《楽園のドルイド》)・7枚コンボになりました。
《試練に臨むギデオン》:メイン戦で持ってくることは「青黒インバーター」戦以外ほとんどないです。こいつで数ターン殴って勝つことを想定して構築していません。
《黄昏+払暁》:全除去とマナクリ回収。打つ機会はまずまずあります。「黒単ゾンビ」や「黒単吸血鬼」のようなハンデス入りの部族デッキ戦用。
《白鳥の歌》:あんまり打つ機会ないカードだけど、サイドインはすることが多い印象。
《削剥》:サイドイン用。
《摩耗+損耗》:サイド駐在。
《立身+出世》:メインで持ってくることもあるかと思っての採用。一回も打てたことがないから、よくいろんなカードに変わっている。いまはこいつ。
《沈黙》:強い。メインに持ってくることはしょっちゅう。
《神秘の論争》:サイドイン用。
こんな感じですね。
あとは、秘密にちょっと書きます。何かアドバイスあれば幸いです。ではでは。
はい。現在使っているパイオニアのデッキを紹介します。真面目に2カ月程度調整していて、GP名古屋にも持って行こうかと思うほどでした。
1)デッキリストの紹介
タイトルは「ウィッシュストーム」と書いていますが、《ジェスカイの隆盛》を用いたデッキです。普通の構築との違い等は、デッキリストを挙げてからにしましょう。先に述べておくことは「ウィッシュ」ということに注目してください、ということですね。
メインボード(60)
・クリーチャー(15)
4 森の女人像/Sylvan Caryatid
4 楽園のドルイド/Paradise Druid
4 願いのフェイ/Fae of Wishes - 成就/Granted
3 薔薇棘の見習い/Rosethorn Acolyte - 季節の儀式/Seasonal Ritual
・インスタント・ソーサリー(19)
4 選択/Opt
1 空間の擦り抜け/Slip Through Space
4 促進/Expedite
1 マグマの洞察力/Magmatic Insight
4 霊気との調和/Attune with Aether
1 収まらぬ思い/Nagging Thoughts
2 巧みな軍略/Strategic Planning
2 宝船の巡航/Treasure Cruise
・エンチャント(8)
4 枷はずれな成長/Unbridled Growth
3 ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy
1 死の国からの脱出/Underworld Breach
・土地(18)
4 霊気拠点/Aether Hub
4 植物の聖域/Botanical Sanctum
1 寺院の庭/Temple Garden
1 蒸気孔/Steam Vents
1 神聖なる泉/Hallowed Fountain
1 繁殖池/Breeding Pool
1 踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1 マナの合流点/Mana Confluence
1 平地/Plains
1 島/Island
1 山/Mountain
1 森/Forest
サイドボード(15)
1 神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries
1 肉体+血流/Flesh+Blood
1 大自然の反撃/Elemental Uprising
1 死の国からの脱出/Underworld Breach
1 ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy
1 試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials
1 黄昏+払暁/Dusk+Dawn
1 白鳥の歌/Swan Song
1 削剥/Abrade
1 摩耗+損耗/Wear+Tear
1 立身+出世/Claim+Fame
2 沈黙/Silence
2 神秘の論争/Mystical Dispute
はい。こんな感じです。このリストを見て、「はい、なるほどね。」となる人は一度でも《ジェスカイの隆盛》コンボを扱ったことのある人でしょう。扱ったことのある人もない人も下でできる限り分かりやすく解説しますので恐れないでください。
2)そもそも《ジェスカイの隆盛》コンボとは。
まず、《ジェスカイの隆盛》コンボを知らないとこのデッキに触れることはできません。《ジェスカイの隆盛》コンボとはその名の通り、《ジェスカイの隆盛》を主軸にしたチェインコンボデッキです。この《ジェスカイの隆盛》はこんなカードです。
URW《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
エンチャント
あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。それらのクリーチャーをアンタップする。
あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。そうしたなら、カードを1枚捨てる。
このエンチャントを張った状態でクリーチャーでない呪文を唱えるとクリーチャー全部がアンタップすることに注目して、マナクリーチャーを展開後、軽量ドロースペルを連打して、マナを増やしていきます。このとき、土地カードのような不要な手札は下のルーター能力でスペルに変換していきます。こうしてデッキを掘っていくんですね。勝ち手段はデッキ切れによる特殊勝利やクリーチャーのパワーがクリーチャーでない呪文を唱えるたびに上がるのでそのまま殴って勝ちます。
そんな《ジェスカイの隆盛》コンボ。これは当時のスタンダードでも存在したようなデッキでして、当然パイオニアにも存在します。主な型は、「《森の目覚め/Sylvan Awakening》型」、「《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》型」、そして「マナ・クリーチャー型」の3種類でしょうか。それぞれについて少し違いを説明します。
「《森の目覚め》型」はクリーチャーの採用枚数が極端に少ないデッキが多く、《森の目覚め》によって土地をマナクリ化してコンボに入ります。そのため、序盤はジェスカイコントロールのように振る舞う構成が多く、また、土地全てがマナクリになるため潤沢にマナが出るのも相まって《時を越えた探索/Dig Through Time》を採用できるのが利点の一つです。他とは違って3キルルートはなく、また《ジェスカイの隆盛》を先置きする必要があるのも重要な違いですね。
「《湖に潜む者、エムリー》型」は《モックス・アンバー/Mox Amber》と組み合わせることによって無限マナから《歩行バリスタ/Walking Ballista》による無限ダメージを狙います。また、《群の祭壇/Altar of the Brood》によるライブラリー破壊も追加の勝ち手段となっていることが多いです。マナクリーチャーを採用しないことが多いため、純正な青赤白で組めるデッキとなっています。
「マナ・クリーチャー型」は「《森の目覚め》型」とハイブリットすることもありますが、マナ・クリーチャーをおおむね8枚以上採用することにより、2Tマナクリ、3T《ジェスカイの隆盛》からそのままコンボ開始できるスピードを持ち合わせています。
ここまでは、《ジェスカイの隆盛》コンボの紹介でした。では、今回のリストがこれらのどの型に属していて、どう違いのかを次で語ります。
3)今回のデッキの特徴
今回のデッキはさっきの「マナ・クリーチャー型」の亜種となります。どこが違うのかというと、《願いのフェイ》の採用です。重要なのは「成就」の部分ですね。これを勝手に「ウィッシュ型」とします。「ウィッシュ型」は《ジェスカイの隆盛》をサイドに1枚置くと7枚体制になるわけです。デッキ全体は軽量ドロースペルばかりにしたいので勝ち手段もドローがついていないかぎり最後にしか引きたくありません。ということはサイドに置いておけばいいんです。《肉体+血流》や《神秘を操る者、ジェイス》はそういうことですよね。
じゃあメインだけでは勝てないのか、というとそういうわけではありません。《空間の擦り抜け》はドローがついているメインの勝ち手段ですよ。
では、メインに持ってくる可能性があるサイドカードについて、それぞれコメントしていきますか。
4)コメント集
《神秘を操る者、ジェイス》:勝ち手段その1。相手のライフに関係なく勝てるのが利点ですね。4マナは重いのでは、と思ったそこのあなた。もちろんそうなのですが、「成就」も同じ4マナだということを考えると、少なくともチェインコンボ中には4マナ貯められるようにしなきゃいけないんですよね。いっぱいマナが貯まりそうなら良くて、そうでない場合はチェインの最中にマナクリの追加を検討する必要があります。2マナの《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》でいいのでは、と思ったそこのあなた。「成就」はクリーチャーでないカードしか持ってこれないのですよ。残念。
《肉体+血流》:勝ち手段その2。実際はこれで勝つことがほとんど。《死の国からの脱出》があれば墓地から複数回打てるので1回持ってくれば大丈夫だから1枚。これはクリーチャーを生け贄にしないのが重要。モダンの青赤ストームの《ぶどう弾》に相当しているので、このデッキ名にストームと入れさせてもらった。《ドスン/Thud》や《投げ飛ばし/Fling》ではクリーチャーを生け贄にする都合上複数回打てるか分からない。問題点はクリーチャーのパワーは本家のストームとは違って、ターンのどのタイミングで出したかによって違うので、管理が少々面倒なところ。
《大自然の反撃》:サイドから持ってこれるマナ・クリーチャー。パワーも4と高いので、《肉体+血流》しやすいのもグッド。これでクリーチャー化することも見越して《霊気拠点》を採用したが、《蒸気孔》のような青絡みの土地をクリーチャー化することの方が多いかな。
《死の国からの脱出》:こいつがかなりの悪がき。ホント好き勝手回せて最高です。小テクとして、《マグマの洞察力》による追加コストで捨てた土地・カードを脱出のコストとして追放できます。ワザップです。
《ジェスカイの隆盛》:よく持ってきます。7枚体制ですからね。この方法によりマナクリ8枚(《森の女人像》《楽園のドルイド》)・7枚コンボになりました。
《試練に臨むギデオン》:メイン戦で持ってくることは「青黒インバーター」戦以外ほとんどないです。こいつで数ターン殴って勝つことを想定して構築していません。
《黄昏+払暁》:全除去とマナクリ回収。打つ機会はまずまずあります。「黒単ゾンビ」や「黒単吸血鬼」のようなハンデス入りの部族デッキ戦用。
《白鳥の歌》:あんまり打つ機会ないカードだけど、サイドインはすることが多い印象。
《削剥》:サイドイン用。
《摩耗+損耗》:サイド駐在。
《立身+出世》:メインで持ってくることもあるかと思っての採用。一回も打てたことがないから、よくいろんなカードに変わっている。いまはこいつ。
《沈黙》:強い。メインに持ってくることはしょっちゅう。
《神秘の論争》:サイドイン用。
こんな感じですね。
あとは、秘密にちょっと書きます。何かアドバイスあれば幸いです。ではでは。
コメント
今回の記事はかなり眼福でした。ありがとうございます。
《水形/Hydroform》:確かに。《大自然の反撃/Elemental Uprising》のルアーに似た能力は対戦相手に訊かれることがあってもそれが大活躍したことないので変えます。ありがとうございます。
こちらこそ読んでいただきありがとうございます。何かの糧になれば幸いです。